不動産持分の所有者が単独で持っている所有権

不動産持分を所有している人の所有権は、所有している持分の割合により違いがあります。
不動産持分の割合に関係なく、全ての不動産持分を所有している人ができるのは、不動産を保存することと使用することです。
不動産持分が全体の一部である場合でも、使用するだけならば不動産全体を使うことができます。
不動産の保存行為とは、不動産の状態を大きく変化させない範囲で、不動産の現状を維持するために必要となる行為です。
したがって、不動産の現状を維持するために必要であっても、それをすると不動産の性質が大きく変わってしまうような場合には、保存行為として共有者が単独でおこなうことはできません。
これが所有権の限界です。
住宅内の設備が故障した場合の修理は一人でもできる保存行為に該当しますが、住宅全体をリフォームするような大規模な工事は、保存行為には該当しません。
不動産を適切に管理したい場合には、こうした違いにも気をつける必要があります。

占拠された不動産の明け渡しを請求できる権利

所有権を持っていない他人が不法に不動産を占拠している場合、不動産持分の所有者は単独で不動産の明け渡しを求めることができます。
これも不動産持分の共有者個人に認められている所有権の一つです。
不動産持分の明け渡しを請求する場合には、不法占拠している相手と直接交渉することもできますが、裁判所に明け渡しのための手続きを依頼することも可能です。
こうした行為が個人の所有権として認められているのは、一人の所有者が明け渡しの請求をすれば、他の全ての共有者の利益になるからです。
共有不動産の登記が不正におこなわれている場合にも、一人の所有者が単独で不正な登記の抹消を求めることができます。
こうした登記の抹消ができるのは、所有者個人に認められている所有権の一部であるからです。
権利を持っていない人が登記をした場合にも抹消の請求ができますが、他の共有者が不正な登記をしている場合にも抹消の請求が可能です。

まとめ

不動産持分を所有している人が単独でも行使できる所有権の範囲についてご紹介しました。
不動産持分を所有している人は、不動産の使用と保存をするための所有権を持っています。
不動産を使用する場合には、不動産持分が全体の一部である場合でも、不動産全てを使用できます。
不動産を保存するための所有権でできるのは、不動産の状態を大きく変化させない程度で、現状を維持するための行為です。
不法に占拠された不動産の明け渡し請求もできます。